タイラントへ10個の質問
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はじめに
009  

「あけましておめでとう、タイラント。なんだか久しぶり……だよね?」

タイラント

「お、おぅ…あけまして…おめでとう? えと、その、ひ…さしぶり……だよな、確かに……(汗)」

009  

「うん。なんで久しぶりなんだろうね…とか、君には色々と言いたいこともあるけど、でも、今日ここに僕と君が居るのは、そういう話をする為じゃないんだ」

タイラント

「そ、そう…なんだ……(えーっと、良かった…ってことなのか、な?(汗))」

009  

「そうだよ。ということでタイラント。まずはコレを見てくれないかな」

タイラント

「……なんだ、コレ?」

009  

「君への質問だよ」

タイラント

「いや…それは、うん、それっくらいは俺にもわかるって。そうじゃなくってさ。なんで俺にこんな質問が来てるのか…ってうか、そもそもこの質問、意味がよく分からないっていうか……」

009  

「まぁ、そうだろうね。そうだろうな…って思ったから、だから僕がここに居るんだよ」

タイラント

「???」

009  

「そもそも、この質問の日付を見てみなよ」

タイラント

「……えぇと、2014年の…10月の……って、えぇえ? 二ヶ月以上前ってことか? コレ」

009  

「そう。二ヶ月以上前のことなんだ、この質問が来たのは。それなのに、何で今までこれが君に渡されなかったのか。その理由がわかるかい?」

タイラント

「えーっと……?」

009  

「まぁそういう訳で、僕がここに居るということなんだよ」

タイラント

「??? そ、そう、なん…だ……(なんなんだ? どいうことなんだ?)」

009  

「さて。じゃあ早速いってみようか」

タイラント

「お、おぅ……」

1.誕生日は?
009  

「さて、第1問、君の誕生日、だ。これの意味はわかるだろうね?」

タイラント

「そりゃもちろん、これっくらいはわかる。わかるけど……」

009  

「けど?」

タイラント

「えーっと……わかんないんだ」

009  

「わからない?」

タイラント

「……あぁ」

009  

「それはつまり……自分の誕生日を知らない…ということかい?」

タイラント

「……あぁ……」

009  

「わすれてしまった、とかではなく……?」

タイラント

「……あぁ」

009  

「…………そう…なん、だ……。その……悪いことを訊いてしまった…の、かな?」

タイラント

「え? いや、別にそういうことは無い…けど?」

009  

「そう、なのかい?」

タイラント

「あぁ」

009  

「……そう、か。だったら……ちょっとだけ訊いてもいい、かな?」

タイラント

「? あぁ、もちろん構わないけど…?」

009  

「じゃぁ……何で君は自分の誕生日を知らないんだい?」

タイラント

「あぁ……。えっと。俺さ、ていうか俺の家族がさ、俺が小さい頃に山賊…ていうのかな? ……まぁ、そういう連中に襲われて……全滅しちまってさ。で、俺だけが助かってっていう……」

009  

「………そんな……ことが………っ」

タイラント

「まぁな。でさ。そのー……俺、その時まだ小さくってさ。だから、自分の誕生日っての、よく覚えてなくって……」

009  

「そう…なん、だ……」

タイラント

「あぁ」

009  

「……すまない。辛いことを、訊いてしまったね……」

タイラント

「いや。あんまりよく覚えてないし……さ」

009  

「そうだね……。小さい頃だったって言ってたね……」

タイラント

「あぁ。確か、8歳くらいだったかな」

009  

「……8歳?(小声で)え? 8歳って、日本だったら小学校二年生か三年生、だよね? その歳で、自分の誕生日って、覚えていないもの……なのか、な?(悩)」

タイラント

「ジョー……?」

009  

「………」

タイラント

「? ……ジョー? どうかした、のか?」

009  

「あ? ……あぁ、いや。うん、なんでもないよ」

タイラント

「?」

009  

「うん。大丈夫。じゃぁ、次の質問に行こうか」

2.ぶっちゃけイケメン?
009  

「さて第2問、なんだけど……」

タイラント

「なぁジョー。“イケメン”って、なんだ?(悩)」

009  

「うん、だろうね。そうだろうと思っていたよ……」

タイラント

「いや、だって聞いた事ないぞ? いったい何用語なんだよコレ……」

009  

「うーん……何用語って言われても困るけど……まぁ、ある種の専門用語ではある、かな……?」

タイラント

「???」

009  

「“イケメン”っていうのは、カッコイイ男性っていうような意味だよ。男前とかハンサムとか、まぁそいういうのの同義語かな?」

タイラント

「……えーっと、つまり、お前みたいなヤツってことか?」

009  

「は?」

タイラント

「だってお前、カッコイイだろ?」

009  

「………タイラント……っ!」

タイラント

「?」

009  

「……僕のことじゃなくて! 君のことを訊いてるんだよ。君がカッコイイかどうかって、そういう質問なんだよ!」

タイラント

「いや? 俺は別に普通だと思う。カッコイイのはお前の方だろ? なんか俺、おかしいこと言ったか?」

009  

「君ってヤツは……(赤面)」

タイラント

「???」

009  

「もういいよ、次行こう次……(脱力)」

3.肌の色は黒いほう?
009  

「はい、答えて」

タイラント

「うーん、まぁそんなに黒くはない、かなぁ……。この程度だと、夜戦の時とかには炭で黒く塗っといた方がいいかな…って感じだしな」

009  

「………」

タイラント

「あぁ、今はもうそんなコトしてないぜ? 何しろ普通の人間が相手なら、向こうが視認できない距離からこっちは見える訳だしな」

009  

「………」

タイラント

「?」

4.好きな教科は?
009  

「………(気を取り直して)じゃ、第4問、いってみようか」

タイラント

「って言われても……。なぁジョー、“教科”ってなんだ?」

009  

「えーっと……学校とかで習う知識の分野、なんだけど……まぁ、“専門分野”とでも思ってもらえればいい、かな」

タイラント

「専門……? 俺の専門は格闘戦だけど……」

009  

「そうだね……」

タイラント

「?」

009  

「格闘戦以外に何か得意なことって無いのかい?」

タイラント

「うーん……。射撃はまぁまぁできるけど得意って訳じゃないし、狙撃とかちょっと無理だし……」

009  

「……あの、できれば戦闘関係以外で何か無いかな?」

タイラント

「戦闘以外? ……諜報とか兵站とかか?」

009  

「あー……えーっと、そういうのもちょっと……」

タイラント

「じゃあ、暗号解析とか兵器開発とかか? それはちょっと俺には無理だと思うんだが……」

009  

「……うん、そうだね……。ごめん、色々と無理だったよ……(溜息)」

タイラント

「???」

5.好きな動物は?
タイラント

「えーっと、食えるんだったら好き嫌いはしない方だけど……」

009  

「いや、そういう意味じゃなくって……(汗)」

タイラント

「へ? 食う以外の動物の好き嫌いって、何があるんだ?」

009  

「……飼う、とか?」

タイラント

「あぁそうか。移動用とか乳用とかか。あと毛皮とかもあるしな」

009  

「いや……たぶん違う、と思う……」

タイラント

「???」

009  

「……まぁいいや、じゃあ、その辺で」

タイラント

「だったら駱駝かな。荷物も色々積めるし移動には便利でいい」

6.服などはちゃんと畳んでる?
009  

「そういえば君、洗濯とか、どうしてるんだい?」

タイラント

「どうって、普通だよ。簡易診療所の洗い物と一緒に洗って干して……で、畳んで仕分けして配る」

009  

「そうなんだ……(驚) その、君も洗濯したり、乾いた服を畳んだりとか、してるのかい?」

タイラント

「そりゃするさ。何しろ人手が足りないし、できることは何だってやらないとな」

009  

「へぇ……すごいね」

タイラント

「そうか? 普通だろ?」

009  

「……そ、そう、だね……うん(汗)」

タイラント

「?」

7.もし一日性転換したら何をする?
009  

「じゃあ、第7問。性転換、の意味はわかるよね? 君の場合、女の子になったら…ってことなんだけれど」

タイラント

「………何するって言われても……。ていうかさ、この場合、性能ってどうなるんだ?」

009  

「へ? 性能?」

タイラント

「あぁ。加速装置とか耐久性能とか格闘性能とか……」

009  

「………(小声で)心配するとこはそこなのかい?(溜息)」

タイラント

「変わらないってんなら、まぁ普通にしてりゃいいけど……もし性能に変化があるんだったら、とりあえず……」

009  

「とりあえず……?」

タイラント

「ウィッチのとこに行く」

009  

「……はぁ?」

タイラント

「だってそうだろ? まずは性能を確認しておかないと……」

009  

「……うん。まぁ、そうだね……」

8.ファッションは何系?
009  

「……ミリタリー系ってことで。はい次」

タイラント

「???」

009  

「(小声で)ごめん、ちょっとファッションについて、君に理解させられる自信が無いんだ……(遠い目)」

9.付き合う相手に求めるものは?
009  

「第9問。これは普通に答えられるよね?」

タイラント

「あぁ。……えーっと、そうだな。まずは射撃の腕かな。狙撃ができるってレベルじゃなくてもいいから、俺よりは上手いのが望ましい」

009  

「は?」

タイラント

「あと、情報収集と分析に長けてると助かる。そこらへんも俺は苦手だし……」

009  

「ちょっと待ってくれ!」

タイラント

「?」

009  

「“付き合う相手” だよ? タイラント」

タイラント

「あぁ。そのつもりで言ってるんだけど……?」

009  

「……ごめん。もしかして “付き合う” って言葉の意味が通じてないのかな……」

タイラント

「へ? そうなのか? 確か、“いつも一緒に行動する相手” とか、そういう意味じゃなかったか?」

009  

「えーっと……。それは、まぁ、間違ってはいないけれど……」

タイラント

「だよな? よかった……。で、それだったら間違えて無いと思うんだが……」

009  

「……(小声で)なんか、根本的なところに間違いがあるような気がしてならないんだけれど……」

タイラント

「?」

009  

「えーっと、もう少し…戦闘に関係しない条件みたいなのは、何か無いかな……」

タイラント

「戦闘に関係しない条件だったら……やっぱり、精神力っていうか意思の強さ、かな」

009  

「……なるほど。意志が強くて自分の信念を貫くタイプって感じかな?」

タイラント

「あぁ。……まぁ、ようするに、お前ってことなんだけどさ」

009  

「……え?」

タイラント

「言っただろ? 俺は地獄の果てまでだってお前についていく…って」

009  

「え…っと。……うん、ありがとう……。(小声で)いや、この質問は絶対にそういう意味じゃないから……(溜息)」

10.好きな名言、好きな言葉、座右の銘などあったらどうぞ!
009  

「やっと最後の質問だね」

タイラント

「あぁ。つってもなぁ……特に無いんだけど」

009  

「………まぁ、そうだろうね……」

おわりに
タイラント

「なぁジョー、こんなんでいい、のかな……?」

009  

「そうだね……うん。まぁ、いいんじゃないのかな」

タイラント

「うー……」

009  

「とにかく、だ。何はともあれ、君はよくやったよ。(小声で)そして、僕もよくやったと思う……」

タイラント

「そ、そうか?」

009  

「あぁ。何にせよ、真摯に答えようとしたってところに意義がある……(小声で)ということにして欲しい……」

タイラント

「そ…っか。それなら、まぁ、良かったよ……。俺、こういうのホント苦手でさ……お前が一緒で助かった」

009  

「そうかい? そう言って貰えるのなら、うん、僕も苦労が報われたというか……」

タイラント

「あぁ、ほんっとーに助かった!」

009  

「ありがとう、タイラント。……じゃぁ、これでこの件は終わりだよ。次にまた会える時まで……元気で」

タイラント

「……あぁ。お前もな」



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