（実録？）戦え勇者！世界の平和を護るため……

（実録？）戦え勇者！世界の平和を護るため……

ドラゴンクエスト II　～悪霊の神々～　より

時に西暦1987年１月26日。
悪の大神官ハーゴンによって、およそ240万本の世界が、（ほぼ）一斉に破滅の危機に瀕した。
そして。
ほぼ同日、およそ240万組のロトの血を受け継ぎし勇者達が旅立った！
内なる声（＝プレーヤーのコマンド）に導かれて！
そして。
ここにも、そうやって旅立った、一組の勇者達がいた。

だ・が・し・か・し！

この勇者達の導き手（＝プレーヤー）は、極めて大きな問題を抱えていた。
それは……取説がないっ！
ということはつまり……新しい呪文を覚えても、その効果が、唱えてみるまで分らないのだっ！

そして、悲（喜）劇は起きた。

（ちゃららっちゃっちゃ～♪）サマルトリアの王子は、レベルが上がった！
サマルトリアの王子	「あっ！僕、レベルが上がりましたよ～！　ん？あぁぁぁ！しかもっ！何か、新しい呪文を覚えましたっ！」
ローレシアの王子	「よっしゃ～！じゃあ、早速試してみよーぜっ！」
ムーンブルクの王女	「待って！ここを何処だと思ってるの？ロンダルキアよ？こんな強いモンスターが出る場所で、何が起きるか判らない呪文を使ってみるなんて、危険すぎるわっ！」
註：ロンダルキア＝悪の大神官ハーゴンの神殿がある地域。半端じゃなく強いモンスターが出まくる。
ローレシアの王子	「そ…そうだな。よしっ！それじゃ、俺の家（ってか城）に戻ろうぜ。あの辺りなら、スライムか、せいぜいドラキーくらいしか出ないしな」
註：スライム＝ドラクエにおけるザコ敵代表　　ドラキー＝スライムに同じ
ムーンブルクの王女	「そうね。それがいいわ」
サマルトリアの王子	「わかりました。それでわっ」
サマルトリアの王子は【ルーラ】を唱えた。（ぴろりろりろ～♪）註：ルーラ＝瞬間移動呪文
ローレシアの王子	「ぉおおっしゃ～！出て来い、スライム～！わーはーはーはーはー」
ムーンブルクの王女	「それじゃあ逃げちゃうと思う……」
ローレシアの王子	「うぬぅ、俺様におそれをなしたかっ！」
サマルトリアの王子	「そ…そうだ、いい物がありますよっ！ほら、【ぎんのたてごと】です！」
註：ぎんのたてごと＝これを弾くとモンスターが襲ってくるとゆーアイテム
ローレシアの王子	「おぉっ！それだっ！弾け弾け、すぐ弾け！」
サマルトリアの王子	「ラジャー了解ですっ！」
サマルトリアの王子は【ぎんのたてごと】をかなでた。（ピロポロピロパロポロロロロロロ～♪）スライムが現れたっ！
ローレシアの王子	「よぉっしゃ～！」
ムーンブルクの王女	「呪文、呪文～っ！」
サマルトリアの王子	「オッケーっす！それでわっ……メガンテ！」
スライムは砕け散った。サマルトリアの王子は砕け散った。サマルトリアの王子は死んでしまった。モンスターをやっつけた。５ゴールド手に入れた。
註：メガンテ＝自分の命と引き換えに、敵に大ダメージを与える呪文。
ローレシアの王子	「………おーい…？」
ムーンブルクの王女	「……サ…サマルトリアの王子？」
サマルトリアの王子	「………（返事がない。ただの屍のようだ）」
ムーンブルクの王女	「死んでるわ」
ローレシアの王子	「死んでるな」
ムーンブルクの王女	「ど…どうしよう……」
ローレシアの王子	「？」
ムーンブルクの王女	「ザオリク使えるのって、サマルトリアの王子だけなのよ？」
註：ザオリク＝蘇生呪文。死んでしまった仲間を生き返らせることができる。
ローレシアの王子	「……そーだった……って事は…」
ムーンブルクの王女	「えぇ。教会に行って、お金払わなきゃ……」
ローレシアの王子	「……さっきのスライムな、何ゴールド持ってたっけ？」
ムーンブルクの王女	「５ゴールド」
ローレシアの王子	「コイツ生き返らせるのに、いくらくらいかかるかな？」
ムーンブルクの王女	「そうねぇ…少なくとも、200ゴールドはかると思うけど……」
ローレシアの王子	「………」
ムーンブルクの王女	「………」
サマルトリアの王子	「………（返事がない。ただの屍のようだ）」
ローレシアの王子	「めちゃくちゃ赤字じゃねーかっ！（怒）」
サマルトリアの王子	「………（返事がない。ただの屍のようだ）」

こんなんで、ホントに大丈夫なのか？
…ってか、そもそも、自爆呪文を使える奴だけが蘇生呪文を使えるってのに、何か根本的な問題があるのでわ？

ともあれ。
戦え勇者！世界の平和を護るためっ！